犯人が用いる手法は極めて計算されている。代表的なのが「すり替え型」と「両替二度取り型」だ。ある東京都内の店舗で勤務していた詐欺被害店舗スタッフの証言によれば、男はまず安価な商品を買い、1万円札を提示。店員がレジからお釣りを手渡した瞬間、「やっぱり細かい小銭があった」と小銭を出しつつ、手元で渡されたばかりの5千円札を瞬時にポケットへ隠し、「5千円札が入っていない」と主張したという。
こうした心理的トラップの高度化について、かつて特集を組んだNHK『クローズアップ現代』でも、レジ横での死角や手元の目線移動を緻密に分析した犯行パターンが報じられ反響を呼んだ。焦った店員が自分の確認不足と思い込み、言われるがまま追加の紙幣を手渡してしまう心理的ブレイクダウンが巧妙に組み込まれているのだ。