可憐な花で人々を魅了するヒトツバタゴだが、実は野生の自生地が極めて限られている希少種でもある。環境省のレッドリストでは絶滅危惧II類(VU)に指定されており、かつては特定の地域にしか分布していなかった。
しかし、大気汚染や公害に対する強さ、病害虫への耐性の高さが買われ、近年では公園樹や街路樹として全国的に植樹が進められてきた。野生下では危機に瀕しながらも、人間が暮らす都市空間でその命を増やし続けるという、不思議な生存戦略を辿っているのだ。
都市のヒートアイランド現象を和らげる緑化樹木としての機能に加え、生物多様性を支える一助としても、この木が果たす役割は決して小さくない。