田崎史郎氏の政治解説を語る上で欠かせないのが、安倍晋三元首相をはじめとする官邸幹部との太いパイプだ。時事通信社の政治部長や解説委員長を歴任した田崎氏は、夜の会食やプライベートな懇談を通じ、政権中枢と緊密な関係を築いてきた。この「食い込みの深さ」こそが彼の取材力の源泉であると同時に、批判の火種でもあった。
安倍政権下において、首相との度重なる会食が報じられるたび、ネット上では「権力とジャーナリズムの距離感」を巡る議論が沸き立った。報道・メディア業界において、取材対象との距離をどう保つかは永遠のテーマだ。田崎氏が展開する政治ジャーナリズムは、権力を外側から監視・批判する「ウォッチドッグ(監視犬)」型ではなく、権力内部の論理を読解して提示する「インサイダー(内部通報)」型である。このアプローチの違いが、「権力に寄り添いすぎている」という冷ややかな視線を生む直接の原因となった。