球速差にして約50キロ。宮城投手を象徴するのが、日本野球機構(NPB)のトップバッターたちを凍りつかせる緩急のコントロールだ。とりわけ話題を呼んでいるのが、息をのむような遅さでストライクゾーンを通過するスローカーブである。
バイオメカニクス分析によると、彼のリリースポイントは直球とほぼ完全に同調している。打者の目線から見れば、直球の軌道で迫ってくるボールが直前で失速し、ブレーキがかかったように沈み込む。腕の振りの強さを一切変えずに指先の微妙な感覚だけで球速を制御する技術こそ、相手打者をして「残像と現実が噛み合わない」と言わしめる理由だ。