新嘗祭と非常によく混同されるのが、天皇即位の際に行われる「大嘗祭(だいじょうさい)」です。両者の最も大きな違いは、執り行われる頻度と皇位継承に伴う儀礼的性格にあります。
大嘗祭とは、新天皇が即位した後に「初めて行う一代に一度限りの大規模な新嘗祭」を指します。皇居・東御苑に特設される木造茅葺きの「大嘗宮(だいじょうきゅう)」にて、悠紀殿(ゆきでん)・主基殿(すきでん)の神事が夜を徹して行われ、皇祖神である天照大御神をはじめとする神々と一体化する厳粛な秘儀です。
対する新嘗祭は、「毎年11月23日に皇居内の神嘉殿(しんかでん)で恒例として行われる祭祀」です。儀式の規模や舞台となる殿舎は異なるものの、執り行われる作法や神人共食の精神的構造は本質的に同一であり、大嘗祭は新嘗祭の特別版と位置づけられます。