親会社である株式会社電通グループが保持してきた圧倒的なシェアと人脈は、長年にわたり日本のスポーツマーケティングを牽引してきた。しかし、今回の事件によってその専権体制がもたらした弊害が白日のもとに晒された。広告代理店業界全体において、本来存在するべき自由な価格競争や提案内容の競い合いが事実上ブロックされていたためである。
他社が参入できない枠組みを作り上げ、イベント運営からメディア露出、スポンサー集めまでを一括受注するシステムは、一時的にはビジネス上の効率をもたらしたかもしれない。だが、歪んだ独占はコンプライアンスの麻痺を生み、結果として日本全体のスポーツビジネスに対する国際的信頼を著しく失墜させる要因となった。