綱啓永の役者人生を語る上で欠かせないのが、劇的なシンデレラストーリーと地道な下積みのコントラストです。2017年、大学1年生の秋に第30回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストで頂点に立ち芸能界入りを果たした彼は、翌2018年にドラマ『文学処女』で俳優デビューを飾りました。
キャリア初期における最大の転機となったのが、2019年から2026年にかけて放送されたスーパー戦隊シリーズ『騎士竜戦隊リュウソウジャー』のメルト / リュウソウブルー役です。冷静沈着な頭脳派戦士を1年間にわたり演じ抜いたことで、長期間の映像制作現場における身体表現や集中力、カメラワークへの適応力を徹底的に磨き上げました。当時の特番インタビューにおいて本人が「現場で監督やスタッフに厳しく鍛えられた日々が、俳優としての基礎を作ってくれた」と述懐している通り、この時期の経験が後の演技の土台となっています。
そして2026年、TBS系火曜ドラマ『君の花になる』への出演が決定的なブレイクポイントとなりました。オーディションを通じて劇中ボーイズグループ「8LOOM(ブルーム)」の最年長メンバー・古町有起哉(ゆきや)役に抜擢。男気あふれる情に厚いキャラクターを好演しただけでなく、実際にCDデビューやライブツアーを行い、オリコンチャート上位を席巻するなど、ドラマの枠を超えた社会現象を牽引しました。劇中で見せた感情剥き出しの涙や仲間を鼓舞する熱い眼差しは、多くの視聴者の心を掴み、熱狂的なファン層を確立する決定打となったのです。