知性派の悪役やサイコパスを演じさせた際の大塚芳忠が見せる「底知れぬ怖さ」は、他の追随を許しません。
その極致と言えるのが、アニメ『亜人』の佐藤役です。不死身の肉体を持つテロリストでありながら、本質は命がけのスリルを心から楽しむ「生粋のゲーマー」。大塚芳忠は、無邪気な笑顔の裏にある冷徹な狂気を、優しく穏やかな語り口であえて演じることで、言葉にできない不気味さと鳥肌が立つほどの恐怖を視聴者に植え付けました。
淡々とした日常会話のテンポのまま虐殺を指示するような、静かな狂気を表現させれば右に出る者はいません。善悪の枠組みを超越した「悪の哲学」を持つキャラクターにおいて、その独特な声の響きが作品全体の緊張感を極限まで引き上げています。