水面に浮かび上がる人の顔。私たちがこれほどまでに惹きつけられ、恐怖と好奇心の両抱きになるのはなぜなのか。認知心理学の観点からは、「不気味の谷」現象や、自然界の中に自分たちと同じ「人間」の要素を見出してしまう本能的な恐怖心が指摘される。
異形のものに対する畏怖は、古来より人々が妖怪に抱いてきた感情そのものだ。理路整然とした科学的説明が与えられてもなお、どこかで「もしかしたら」という怪異の余白を残しておきたいという人間の心理。テクノロジーが極限まで発達した現代だからこそ、説明のつかない不気味なものへの渇望が強まっているのかもしれない。