大気の底で何が起きているのか。専門家が注目するのは、積乱雲の中でも最強とされる「スーパーセル(超巨大積乱雲)」の質的な変化だ。カナダ方面から南下する冷たく乾燥した寒気と、メキシコ湾から流れ込む極度に湿った暖気がテキサス上空で劇的に衝突。大気の対流不安定度が過去最高レベルに達し、巨大な回転上昇気流が次々と生成されている。
風速毎秒80メートルを超える風は、木々を根こそぎ倒すどころではない。頑丈な鉄筋構造物の外壁を削り取り、大型トラックをまるで紙細工のように空中へと巻き上げる。現地で目撃された現象の多くは、竜巻のスケールを示す藤田スケール(EFスケール)で上位クラスに達しており、発生現場周辺の地形すら変貌させてしまった。