全米を揺るがしたUSスチール買収計画は、2026年を迎えた現在もなお、世界の金融市場が最も注視する超大型プロジェクトとして立ちはだかっている。日本製鉄の経営陣、とりわけ橋本英二会長と交渉の前面に立つ森高弘副社長は、全米金属労働組合(USW)や政治的思惑が絡み合う複雑なハードルを乗り越えるべく、幾度となく粘り強いネゴシエーションを重ねてきた。
投資家が最も気を揉むのは、この巨大買収に伴う資金調達と配当維持の両立だ。2026年の業績予想において、アナリストらの見解は揺れている。USスチール買収計画が結実すれば、世界規模での生産能力と価格交渉力は飛躍的に高まる。一方で、有利子負債の膨張が配当原資を圧迫するのではないかという懸念も根強い。今後の株価は、買収後のシナジー効果が実効的な利益として現れるタイミングと、明確な株主還元方針の提示に大きく左右されるはずだ。