霞ヶ関の勢力図において、常に比較の対象となるのが財務省と経済産業省である。予算編成権という絶対的な権限を握る財務省は、組織の結束力と政治的影響力で群を抜く。トップである事務次官を頂点とする強固なピラミッド組織は今も健在だが、そのぶん規律は極めて厳格だ。財政規律を巡る永田町との交渉や国会対応の負荷は高く、プライベートの確保には相応の覚悟が求められる。
対照的に、経済産業省は省庁内でも屈指のフレキシビリティを誇る。産業界や新興企業との接点が多く、若手の段階から新規事業推進や規制緩和のプロジェクトを任される機会が多い。自由で活発な議論が推奨される一方で、案件ごとの振れ幅が大きく、部署によっては激務を極める。権限と安定の財務省、成長とスピード感の経産省という構図は、就職先を選ぶ若手官僚の価値観を二分している。