人間は意識的に嘘をつくことができるが、自律神経系が制御する目元の微小な動きまで完全に偽ることは不可能に近い。心理学者のポール・エクマン博士らが提唱したマイクロエクスプレッション(微表情)は、わずか0.2秒から0.5秒という極小の時間で顔に浮かび上がる瞬間的な表情変化を指す。
この現象は、言語を介さないノンバーバルコミュニケーションにおいて極めて強力なシグナルとなる。人気漫画やドラマ『ライアーゲーム』の作中でも、極限状態の心理戦においてプレイヤーたちの目元に浮かぶわずかな動揺や偽りの笑みが勝敗を分ける描写が強く印象づけられた。不快感や嘘を隠そうとした瞬間、眉間や目尻の筋肉が一瞬だけ硬直する。この一閃のサインを見逃さない観察眼こそが、相手の真意にたどり着く鍵となる。