企業がこれほどの手間とリスクをかけてまで隔離部署を作る背景には、日本の労働法制における「解雇の厳しさ」がある。会社都合での整理解雇を行うには高いハードルが存在するため、解雇に伴う不当解雇訴訟などの法的手続きリスクを避ける目的が潜んでいるのだ。
最大の裏目的は、社員自らに耐えかねて「辞めます」と言わせる自己都合退職への誘導である。会社都合退職となれば多額の特別加算金や退職金の積み増しが必要になるケースが多いが、自己都合退職に追い込めば支払う退職金を最小限に抑えることができる。
このような企業主導の脱法的なリストラは、長年にわたり根深い労働問題として議論されてきた。労働者の精神的な弱みに付け込み、自発的な辞職という形を装わせる手口は、人間性を無視した脱法的行為として社会的な非難を免れない。