社債償還の山、株価の下落、アナリストたちの冷ややかな視線。かつて楽天グループを襲った怒涛の「逆風」を覚えている人は多いだろう。しかし、2026年現在の数字が示すのは、完全な風向きの変化だ。楽天モバイルの契約数は大台を突破し、ARPU(1ユーザーあたりの平均売上)の上昇とネットワークコストの劇的な削減が噛み合った結果、通信セグメントの損益分岐点はすでに過去のものとなった。
とりわけ業界関係者の度肝を抜いたのが、低軌道衛星を活用したダイレクト・トゥ・セル(直接衛星通信)の商用化だ。従来の基地局カバーエリアの概念を根底から覆し、山間部や海上、さらには災害時のインフラとして圧倒的な存在感を発揮している。「基地局を建てる時代から、空から包み込む時代へ」。かつて語られた構想は、もはや絵空事ではない。