館内を巡る中で逃せないのが、同じ敷地内に併設された竹久夢二美術館との回廊を通した連動感だ。「大正ロマン」の代名詞であり、漂泊の詩人画家としても知られる竹久夢二の世界観が、心ゆくまで堪能できる。
夢二が描いた一連の「夢二式美人」は、どこか物憂げで、大きな瞳と華奢な指先が強い印象を残す。恋と芸術に生きた夢二の描く女性たちは、時代の価値観にとらわれない自由さと儚さを纏っており、見る者の記憶の奥底に語りかけてくる。肉筆画だけでなく、彼が手がけた楽譜の装幀、木版画、装飾紙など、当時の暮らしを彩ったデザインプロダクトとしての仕事の幅広さにも驚かされるはずだ。