日本の芸能界という眩しくも残酷な世界の傍らで、全く異なる道で汗を流してきたのが末っ子の田中彗である。平成国際大学の硬式野球部で投手として活躍し、卒業後も社会人野球の強豪チームでマウンドに立ち続ける彼の姿は、兄弟にとっても大きな誇りであり、癒やしでもあった。華やかな脚光を浴びる兄たちと、白球を追い続ける弟。フィールドは違えど、徹底して己の道を突き詰める職人気質は兄弟共通のものだ。
実家での家族の集まりでは、芸能界の噂話やスキャンダルなど吹き飛ばすほどの笑い声が絶えないという。外の世界がどれほど騒がしくとも、一歩家の中に入れば単なる「賑やかな5人兄弟」に戻る。栄光と挫折が激しく交錯する過酷な世界で生き抜くために、この家庭という絶対的な安全基地が果たしてきた役割は計り知れない。