世界で蝗害を引き起こすバッタは主に複数種存在しますが、被害の大きさと発生地域によって明確な特徴があります。代表格であるサバクトビバッタと日本にも馴染み深いトノサマバッタの生態を比較検証します。
■ サバクトビバッタ(Schistocerca gregaria)
アフリカから中東、南アジアの乾燥・半乾燥地帯に生息する「地球上で最も危険な害虫」です。群れが最大化すると数百億匹、数千平方キロメートルに広がり、海を越えて数千キロメートルを渡る驚異的な飛翔能力を持ちます。近年の東アフリカやインド・パキスタンでの食糧危機の主因であり、国際的な監視体制が敷かれています。
■ トノサマバッタ(Locusta migratoria)
ユーラシア大陸全域からアフリカ、日本にまで広く分布する種です。日本国内で見かけるトノサマバッタも相変異を起こす能力を完全に保持しています。広大な開墾地や干拓地、河川敷など、特定の植生と産卵に適した砂質土壌が広がる環境下で過密状態が生じると、日本国内であっても群生相化することが確認されています。決して遠い異国の出来事ではありません。