「ベーキングパウダーを切らしてしまったけれど、重曹ならある」という場合、単純に同じ分量で置き換えるのは危険です。両者は同じ膨張剤ですが、性質や膨らみ方に明確な違いがあります。
ベーキングパウダーは、炭酸水素ナトリウム(重曹)に酸性剤やコーンスターチ(遮断剤)をバランスよく配合したものです。水分と熱の両方に反応し、縦方向にふんわりと均一に膨らむ性質を持ち、味や色への影響がほとんどありません。
一方の重曹(炭酸水素ナトリウム単体)は、熱に反応して横方向に力強く膨らむ性質があります。さらにアルカリ性が強いため、焼き上がりの生地が黄色っぽく色づき、独特の苦味や渋み(塩気)が出やすい特徴を持っています。
もしベーキングパウダー小さじ1(約4g)を重曹で代用するなら、重曹の量は半分から3分の1程度(約1.3g〜2g、小さじ1/3〜1/2弱)に減らすのが失敗を防ぐ黄金ルールです。どら焼きやパウンドケーキのように香ばしい焼き色をつけたい和洋菓子には重曹代用が適していますが、白く仕上げたいシフォンケーキやスフレには不向きな点に留意してください。
なお、薄力粉からホットケーキを作る際に市販のホットケーキミックス(HM)の配合を再現したい場合は、薄力粉150gに対してベーキングパウダー小さじ1強〜2(約5g〜8g)、砂糖大さじ2〜3、塩ひとつまみを合わせると、ふっくらとした理想の生地が仕上がります。