本田圭佑の身体に起きていた異変——その最たるものが、首筋に見える手術痕と、一部で囁かれた目の症状(眼球突出)だった。自己免疫系疾患であるバセドウ病は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで代謝が異常に高まり、脈拍の急上昇や手足の震え、そして眼球運動を司る組織の炎症を引き起こす。
当時、頸部切開の手術を受けた事実について、彼は多くを語らなかった。言い訳を極限まで嫌う男の美学がそこにあったからだ。しかし、周囲の眼差しは冷ややかでもあった。フォームの微妙なズレ、試合中の運動量の変化。すべてが病の影響ではないかと騒がれたが、本人は黙々とトレーニングを重ね、ピッチの上に立ち続けた。2026年の現在、自身の体調管理について振り返る言葉には、極限状態を生き抜いた者特有の静かな自信が漂う。