物語の起点となるのは、メイン州の閉ざされた町「ストーリーブルック」です。28歳の誕生日に孤児として生きてきた女性エマ・スワンのもとへ、かつて養子に出した実の息子ヘンリーが現れます。ヘンリーはおとぎ話の本を手に、「町の住人たちは全員、悪い女王の呪いによって過去の記憶を奪われ、魔法のない現実世界に閉じ込められたおとぎ話の住人だ」と主張し、エマこそが呪いを解く唯一の「救世主」であると告げます。
半信半疑のまま町に足を踏み入れたエマでしたが、町長として君臨するヘンリーの養母レジーナの異様な敵対心や、時計台の針が28年ぶりに動き出したことをきっかけに、隠された世界の真実へと巻き込まれていきます。
本作の最大の魅力は、脚本家チーム(大ヒットドラマ『LOST』を手掛けたエドワード・キッツィスとアダム・ホロウィッツ)による、幾重にも張り巡らされた緻密な伏線回収と驚異的な血縁関係の構造化にあります。
作中で徐々に明かされる人間相関図は、常識的な童話の枠組みを根底から覆す構造を持っています。
- エマ・スワン:白雪姫(メアリー・マーガレット)とチャーミング王子(デヴィッド)の間に生まれた実の娘。呪いが発動する直前、魔法のタンスによって現実世界へと逃がされた。
- ヘンリー・ミルズ:エマの実子であり、悪い女王レジーナの養子。つまり、白雪姫はヘンリーの「実の祖母」であり、レジーナは白雪姫の継母であるため「義理の曾祖母」にも該当する。
- ニール・キャシディ(ベルファイア):ヘンリーの実父であり、エマのかつての恋人。その正体は、強大な魔力を持つルンペルシュティルツキン(ミスター・ゴールド)の実の息子。
- ルンペルシュティルツキン:ヘンリーの父方の祖父であり、レジーナに闇の魔法を教えた張本人。過去にはレジーナの実母コーラ(ハートの女王)とも愛憎の契りを結んでいた。
お互いが敵であり、家族であり、因縁の元凶であるという幾何学的な人間関係が、物語の進行とともに次々とパズルのピースのように噛み合っていくカタルシスこそ、本作が世界的なカルト的人気を博した最大の要因です。