話は1980年代へと遡る。当時、ブルース・リーの急逝によって低迷の影が差していた香港映画業界に、彗星のごとく現れたのが彼だった。名門スタジオ「ゴールデン・ハーベスト」とのタッグは、アジアのエンタメ構造を根本から変革することになる。
シリアスな復讐劇が主流だったカンフー映画の世界に、ユーモアと命がけのアクロバットを注入。観客は恐怖と爆笑が同居するスクリーンに釘付けになった。配給会社ゴールデン・ハーベストのバックアップを受け、次々とヒット作を連発したこの時代こそ、彼がアジアの頂点へと駆け上がる決定的な足がかりとなったのだ。