タレントが手掛けるアパレルブランドは星の数ほどある。だが、その多くが短期的なタレントグッズの域を出ずに消えていく中で、彼女の展開するプロジェクトは一線を画す。生地の選定からデザイン、販売手法の選択に至るまで、徹底的に妥協を排した姿勢がストリートカルチャーを愛する若者層の心を掴んだ。
単に「自分が着たいもの」を作るだけではない。購入者がそれを身につけたときにどのような体験を得られるか、という顧客視点が骨組みにある。ポップアップストアの開催時には長蛇の列ができ、オンラインストアの新作は数分で完売する。表現者としてだけでなく、ひとりの事業家としての顔が明確に立ち現れた瞬間だった。