本作を語る上で欠かせないのが、師弟関係を演じた二人の圧倒的なアンサンブルだ。純粋な情熱と未熟さの狭間で揺れる青年カン・ゴビを演じたオン・ソンウ、そして街の小さな珈琲店「2代コーヒー」のマスターとして重厚な佇まいを見せるパク・ホサン。二人が交わす視線や間(ま)の取り方は、演技という枠組みを超えた本物の呼吸を感じさせる。
アイドルグループWanna One出身のオン・ソンウは、本作で完全に本格派俳優としての地歩を固めた。華やかなスポットライトを浴びてきた彼が、不器用ながらも一杯の抽出に全身全霊を捧げる青年を等身大の泥臭さで好演したことは、当時大きな驚きをもって迎えられた。対するパク・ホサンは、酸いも甘いも噛み分けた大人の包容力と哀愁を滲ませ、画面全体に芳醇なアロマのような安定感をもたらしている。