SNSやネット掲示板では「輪ゴムを足に巻くだけで足が速くなる裏技」や「爪先立ち生活でタイムが激変する」といった情報が拡散されていますが、運動生理学の観点からこれらを精査する必要があります。
いわゆる即効性のある走力アップ裏技として話題のテーピングや輪ゴム法は、足指のアーチを一時的に刺激して感覚を鋭敏にする「知覚フィードバック」の効果であり、根本的なスプリント能力を引き上げるものではありません。過信して偏ったフォームで走ると、捻挫やシンスプリントなどのケガにつながる恐れがあります。
また、「もも上げ運動」をその場で行うトレーニングも、足を引き上げる腸腰筋の刺激にはなりますが、地面を踏み込むベクトルと一致しないため、ただ単に回数をこなすだけでは実走スピードには直結しません。ドリルを行う際は、常に「地面からの反発で足が跳ね上がる」感覚と連動させることが必須条件です。