密閉された地下空間を走る列車内で火災や発火事故に遭遇した場合、冷静さを保ちつつ生存率を高めるための行動が不可欠だ。現場対応にあたった大阪市消防局の分析や鉄道事業者の安全マニュアルを基に、乗客が即座にとるべき緊急避難手順を解説する。
最優先すべきは、車壁に設置されている非常通報装置(インターホン)のボタンを押し、即座に運転士や車掌へ異常を告げることだ。パニックから独断でドアコックを操作し線路上へ出ようとする行為は、対向列車との接触や第三軌条からの感電という二次災害を招くため極めて危険である。煙が立ち込めた際は、ハンカチや衣類で口と鼻をしっかりと覆い、壁沿いに体勢を低くして移動する。各車両の境界にある貫通扉を閉めることで、有害な煙が隣の車両へ流入する時間を稼ぐことが可能だ。停車後は乗務員の指示に従い、落ち着いてホームへ向かうことが被害を最小限に抑えるルートとなる。