体当たり攻撃という非人道的な作戦を考案し、「神風特別攻撃隊」の創設を推し進めた大西瀧治郎中将。彼が打ち出した方針は、現場の兵士たちに拭いがたい苦悩と動揺をもたらした。統率外道の戦術と評されながらも強行された作戦は、指導部内部でも激しい議論と葛藤を引き起こしていた。
基地の隊員たちは、絶対的である命令の重圧と個人の尊厳との狭間で苛まれた。遺書や日記には、国を守るという大義名分への納得と、愛する家族のもとへ生きて帰りたいという本能的な願いが激しく交錯している。大西の決断が投じた波紋は、基地の隅々にまで波及し、青年たちの運命を不可逆の方向へと追い詰めていった。