東京・銀座や表参道の名店において、数か月前から予約が埋まるほどの人気を誇るグラススイーツがある。かつて「パフェ」といえば、コーンフレークの上にホイップクリームと市販のシロップを重ねたノスタルジックな存在だった。しかし、現在のハイエンド市場で提示される価格は、1杯3,500円から時には6,000円を超える。
高価格化を支えるのは、構造の緻密さだ。パティシエたちは自らを「グラスの建築家」となぞらえる。グラスの最下層からトップの飾り(デコレーション)に至るまで、ミリ単位でバランスが計算されている。湿気を防ぐコーティングを施したサクサクのチュイル、口の中で一瞬で溶ける液体窒素のソルベ、そして濃厚なガナッシュ。一口ごとに重なり合う要素が解けて混ざり合い、口内で完璧なソースが完成する仕掛けだ。