王子神社の参道を少し外れた木立の中に、小さな社がひっそりと鎮座している。それこそが、全国的にも数少ない「髪の神様」を祀る関神社だ。祀られている蝉丸親王は、百人一首でも知られる歌人であり、髪の毛を整える「梳ぐ(すぐ)」技術を伝授した伝説を持つことから、理容・美容関係者や頭髪の悩みを克服したいと願う参拝者の聖地となっている。
この関神社に掲げられた絵馬には、髪にまつわる切実な願いや、美容師国家試験の合格祈願などがぎっしりと書き込まれている。境内の静寂の中で佇むその姿は、本殿の荘厳さとはまた異なる温かな包容力を感じさせ、一度訪れた者を虜にする独特の魅力を放っている。