均衡が破れたのは8回裏だった。死球と内野安打で掴んだ一死一、二塁の好機。中日のベンチが選んだのは、代打の切り札を送り出す強気の勝負手だ。相手ピッチャーが投じた初球、甘く入ったスライダーを見逃さなかった。快音を残した打球はライト線を深々と破る適時二塁打となり、ついに喉から手が出るほど欲しかった先制点がスコアボードへ刻まれた。
打たれたDeNA側も指をくわえて見ていたわけではない。間一髪のホームタッチアウトを狙う右翼手からのバックホームは、まさに執念のレーザービームだった。わずか数センチの差が勝敗を分けた瞬間であり、両チームの鍛え上げられた守備力と走塁意識が極限までぶつかり合った名場面となった。