日本橋という土地の精神的支柱をたどると、必ずひとりの偉人に突き当たる。日本最初の銀行である第一国立銀行を立ち上げ、近代日本の商業の礎を築いた渋沢栄一だ。彼が描いた「道徳経済合一」の理念、つまり経済的発展と社会貢献の両立という志は、令和の都市づくりにも色濃く受け継がれている。
先進的な建築・都市計画の文脈においては、世界的な建築家・隈研吾が寄与するデザイン思想も見逃せない。木材などの自然素材を随所に取り入れた繊細なファサードや、ぬくもりを感じさせる空間演出は、無機質になりがちな超高層ビルに生命力と温もりを与えている。渋沢の精神と隈の美学が、超高層ビル群の細部にまで息づいているのだ。