三国花火の代名詞といえば、花火師が走る船の上から直接海へ投げ込む「水中花火」だ。ダイナミックな火柱が海面で炸裂する光景は唯一無二だが、その裏には極めて高い危険が隣り合わせで存在する。近年、気候変動の影響とみられる局地的な強風や急激な波浪が発生する頻度が増加しており、気象庁のデータを見ても三国産地の海域における突風率はここ数年で急上昇していた。
「昔なら『これくらいならいける』と判断していた波の高さでも、現在の厳しい海上保安庁のガイドラインでは即座にアウトになる」。大会関係者は重い口を開く。とりわけ、水中花火の船を出す操縦士や花火師の生命を守るため、主催者側はこれまで以上に厳しい安全規準を設定せざるを得なかった。安全を最優先すればするほど、開催可否の判断ラインは狭まり、最終的にリスクを許容できないとの結論に達したのだ。