2019年、木原龍一にとって人生最大の転機が訪れる。9歳年下の三浦璃来(みうら りく)との出会いである。ふたりが氷上で手を組んだ瞬間、それまでのペア経験で培った技術と三浦の圧倒的なスピード感が奇跡的な化学反応を起こした。国際スケート連盟(ISU)のグランプリシリーズや世界選手権で次々と好成績を収め、メディアやファンの間で「りくりゅう」の愛称が定着していく。
この飛翔を力強くバックアップしたのが、一流アスリートへの手厚い支援体制を誇るトヨタ自動車である。トヨタ自動車の所属選手となったことで、木原はカナダを拠点とする世界レベルのトレーニング環境を手に入れた。父・博之氏は、愛知に根ざす大手企業からのサポート決定に深く感謝し、世界へと羽ばたく息子を日本から誇らしく、そして静かに見守り続けた。