駅周辺を見渡せば、クレーンが動く建設現場が今もあちこちに見受けられる。川崎市が強力に主導してきた武蔵小杉駅周辺都市再開発事業は、今や成熟期を迎えつつも、新たな段階へと踏み出していた。単に高層ビルを建てる時代から、歩行者主体の広場や緑地帯を組み込んだ「歩いて楽しい都市空間」への脱皮である。
不動産・都市再開発産業の専門家は、現在の開発状況について「住居機能の拡充が一巡し、現在は文化施設やオープンエア型の商業エリア、防災拠点の統合が進んでいる」と指摘する。かつて指摘された教育施設や医療機関の不足に対しても、再開発ビル内への保育所やクリニックモールの誘致が徹底され、街全体のインフラ密度は極めて高くなった。
川崎市の担当者も「職住近接だけでなく、街の中で一日を快適に過ごせる多層的な都市機能を目指している」と自信をみせる。かつての工場街は、最新の都市計画によって完全に生まれ変わったのだ。