当時の報道合戦は、まさに異様な熱気に包まれていた。結婚発表当初、お相手のプライバシーに配慮して名前や詳細を一切伏せていたにもかかわらず、一部の週刊誌や地方紙、ネットメディアは「特定」に躍起になった。
実名や顔写真、実家の場所までもが相次いで暴かれ、連日のように自宅周辺にカメラマンや記者が殺到した。盗撮やまわりへの聞き込み取材が日常化し、まともな生活を送ることすら困難な状況に追い込まれたのである。メディア側には「国民的スターの結婚相手を知りたいという読者ニーズに応える」という大義名分があったのかもしれない。だが、それが一人の人間の人間らしい暮らしを奪う権利まで正当化できるはずもない。