「昔は800円を超えると学生が来なくなると言われていました」。そう語るのは、駅近くで創業15年を迎える店主だ。しかし、原材料費や光熱費が高止まりする2026年、1000円前後のプライスゾーンはもはや珍しくない。重要なのは、単なる値上げではなく「価格に見合う納得感」の提示だ。
銘柄豚の低温調理チャシュー、無添加の天然昆布出汁、自家製の国産小麦麺——。客側もまた、単なる安さだけではない「圧倒的な一杯」を求めて券売機に千円札を吸い込ませる。価格のタガが外れたことで、職人たちが妥協なく素材と向き合える環境が生まれたとも言える。