流行語大賞を語る上で避けて通れないのが、「大賞を受賞したタレントやお笑い芸人はその後消える」という、いわゆる流行語大賞の呪いと呼ばれる都市伝説です。
確かに、言葉が爆発的に消費された結果、キャラクターの賞味期限が急激に縮まり、メディア露出が激減したケースは過去に散見されます。フレーズのインパクトが強すぎるあまり、本人の実力や他の魅力が見えにくくなってしまう構造的な罠が存在したのは事実です。
しかし、近年の歴代受賞者の現在を丹念に追跡すると、この呪いは実態と大きくかけ離れていることが分かります。
例えば、「そんなの関係ねぇ」の小島よしお氏は、子ども向け教育系コンテンツやYouTubeで絶大な支持を集め、再ブレイクを果たしました。「ゲッツ!」のダンディ坂野氏は地方創生CMの絶対的アイコンとして確固たるポジションを築いており、「ワイルドだろぉ?」のスギちゃん氏もロケ職人として安定した需要を誇っています。
アスリートや文化人にとっても、流行語大賞は名誉あるマイルストーンとして機能しており、その後のキャリアを後押しする強力なブランドとなっています。言葉が一過性で消費されるリスクを乗り越え、自己プロデュースを再構築できた表現者にとって、大賞の肩書は色褪せない武器として生き続けています。