東急自動車学校が歩んだ歴史を振り返る上で、避けて通れないのが「二子玉川からの移転」と「多摩・唐木田での完全閉校」という二つの大きな節目です。単一の経営難ではなく、東急グループ全体の都市戦略と時代の構造変化が深く関係しています。
最初の転機となったのは、2000年代初頭から本格化した二子玉川東地区第一種市街地再開発事業でした。広大な敷地を必要とする自動車教習所は、駅前一等地の高度利用計画において移転の対象となり、2009年12月に東京都多摩市唐木田への全面移転が決定されたのです。
そして第二の転機であり決定打となったのが、多摩移転から10年後の2019年12月に迎えた事業終了です。若年層の運転免許保有率の低下、少子化の加速による教習生数の減少に加え、東急グループが注力する「中核事業への経営資源集中」という事業ポートフォリオの見直しが重なり、60年以上にわたる自動車教習事業の歴史に終止符が打たれました。