野津山幸宏の真価は、単一のイメージにとどまらない声色の幅広さにある。各種アニメ作品をはじめ、外画の吹き替えやソーシャルゲーム、ドラマCDにおいても、その器用さとキャラクター分析の深さが光る。
ときに直線的で勢いのあるヒーローを演じたかと思えば、次の瞬間にはコミカルでテンポの良いギャグキャラクターへと化ける。セリフの間合いや声のトーンを微細にコントロールする能力が高く、どんな脇役であっても一瞬で印象に残る存在感を残すのが特徴だ。この「耳に引っ掛かる独特のボイスと演技センス」こそが、キャスティングディレクターを引き寄せてやまない理由である。