イビチャ・オシムが倒れ、再び岡田武史が火中の栗を拾った2010年南アフリカ大会での「堅守速攻」を経て、日本はアルベルト・ザッケローニという親日家の知将を迎える。彼が構築した3-4-3、そして本田圭佑や香川真司を中心とした攻撃的ポゼッションサッカーは、アジアカップ制覇や親善試合でのイタリア、ベルギー撃破など、日本サッカー史上最も美しい夢を見せた。
だが、2014年ブラジル大会のピッチで待っていたのは、世界のインテンシティに圧倒される現実だった。「自分たちのサッカー」という言葉は、相手に合わせる柔軟性を欠いた独りよがりの戦術の代名詞として、メディアに冷笑されることになる。美しく散るよりも、泥臭く勝つことの難しさを、日本は改めて学んだ。