メガホンをとる人物が決まれば、それは単なる技術的な指揮官の決定にとどまらない。脚本の方向性、キャスティング、さらにはVFXに頼らない実写撮影の比率に至るまで、あらゆる要素が根本から再構築される。
例えば、長年タッグを組んできた撮影監督や音楽家を引き連れてくるタイプの監督が抜擢された場合、作品のトーン&マナーは過去作から劇的に変化する。ハリウッドの裏側で繰り広げられるエージェント同士の駆け引きや、プロデューサー側が提示した「クリエイティブの完全統制権」という条件など、抜擢の舞台裏にはいくつものハードルが存在した。この選択が吉と出るか蛇と出るか、映画界全体が注視している。