「難儀」という言葉のルーツを辿ると、仏教用語や漢語の伝統に行き着く。もともとは「災難」や「苦痛」、あるいは「悟りを開くことの難しさ」を意味していた。身に降りかかる理不尽な苦難を受け止める感覚が、その語源には深く刻まれている。
テレビの時代劇を思い出してほしい。悪代官の無理難題に頭を抱える町人が「そいつは難儀なことじゃ」と呟くシーンだ。ここでは、単に作業が難しいという物理的ハードルだけでなく、精神的な手詰まり感や同情の意が表現されている。時代を経て、その重厚なニュアンスは庶民の会話へと引き継がれていった。