大阪の串カツといえば、長年「ソースの二度漬け禁止」が絶対のルールだった。共用のソースバットに一度だけどっぷりと浸すあの緊張感こそが、立ち飲みの醍醐味だったのだ。
しかし、近年の衛生意識の高まりや世界的な観光客の急増を受け、そのスタイルは大きく変わりつつある。ボトルから直接かける方式や、一人ひとりに提供される専用小皿ディップスタイルが定着。伝統のソース味をそのままに、誰もがストレスフリーで楽しめる環境が整った。
老舗の店主は語る。「ルールが変わっても、おもてなしの心は変わらんよ。ソースの味、衣の薄さ、揚げ加減。勝負するのはそこやからね」。時代の波を軽やかに受け入れながら、大阪の串カツ魂はより強固になっている。