市川染五郎が生まれ育った高麗屋(こうらいや)は、江戸時代から連綿と続く歌舞伎界屈指の名門家系です。その家系図を紐解くと、文化・芸能界を牽引する錚々たる顔ぶれが並んでいます。
染五郎の祖父にあたるのは、日本芸術院会員であり文化勲章受章者でもある重鎮・二代目松本白鸚(元・九代目松本幸四郎)です。ミュージカル『ラ・マンチャの男』を半世紀以上にわたり主演し続けた伝説的な名優であり、染五郎にとっては芸の最高峰として尊敬してやまない存在です。
また、父親の姉(染五郎にとっての叔母)には女優の松本紀保、そして国民的歌姫・女優として名高い松たか子がいます。松たか子は甥である染五郎の成長を幼少期から温かく見守っており、舞台や出演映画を観劇するなど家族ぐるみの親密な交流が続いています。歌舞伎界と現代演劇・映像界のトップランナーがひしめくこの華麗な血統こそが、染五郎の持つ類まれな表現力の源泉です。