そもそも、なぜ「0120」ではなく「0800」なのか。その背景には、1990年代以降の通信需要の爆発的な拡大と、番号リソースの枯渇問題が存在する。元来、日本における着信課金サービス(通話料受信者払い)は、日本電信電話(現NTT)が提供を開始した10桁の「0120」が圧倒的な知名度を誇っていた。しかし、IT革命に伴う企業のコールセンター開設ラッシュや通信事業者の新規参入が相次ぎ、利用可能な0120番号の在庫が底をつく事態に直面した。
これを受けて1999年、総務省(当時・郵政省)が新たに割り当てを開始したのが、11桁で構成される「0800」の番号帯である。仕組みや通話料が着信者(企業側)の負担になる点においては0120とまったく同等であり、主に携帯電話からの発信に対応した次世代フリーダイヤルとして普及が進んだ。しかし、10桁から11桁への移行期において、消費者の頭の中に「0120=安心の無料電話」という固定観念が強く刷り込まれていたため、0800は当初からどこか「怪しい」「新興業者の電話」という奇妙な距離感を抱かれ続けてきた。