順調に見えた同棲生活でしたが、1997年末から1998年にかけて突如として終止符が打たれました。世間を騒がせた破局の背景には、表現者同士としての激しいプライドのぶつかり合いと、結婚という形に対する価値観の相違がありました。
妥協を一切許さない完璧主義者の野田秀樹と、天性の感性で役に憑依する大竹しのぶ。自宅でも演劇や表現をめぐる議論が尽きず、生活者としての平穏よりもクリエイターとしての自我が勝ってしまう瞬間が増えていったとされています。また、二度の結婚生活を経験していた大竹しのぶ側が、再々婚という制度的な枠組みに慎重だったことも影響しました。
二人が下したのは、憎しみ合って別れるのではなく「お互いの才能をこれ以上傷つけず、最高の創作パートナーに戻るための発展的解消」という決断でした。この潔い別離こそが、後の奇跡的な舞台共演へと繋がっていきます。