日本における韓国ドラマの爆発的普及は、この一言の表現力を一気に認知させた。ヒット作を生み出し続ける制作会社 Studio Dragon のドラマ群を紐解くと、セリフに込められた細やかな感情の揺れが見えてくる。
社会現象となった『愛の不時着』では、主演のヒョンビンが見せる寡黙な佇まいの中に、ふと漏れ出る「チンチャ」が強い印象を残した。北朝鮮の将校という格式ばった立場でありながら、ヒロインの前で思わず感情が零れ落ちる瞬間に使われることで、二人の距離の縮まり方を雄弁に物語っていた。
また『梨泰院クラス』の劇中においても、主人公が理不尽な権力に対して怒りを露わにするシーンや、仲間の絆を確認し合う会話の端々にこの言葉が散りばめられている。Netflix を通じて世界中に配信されたこれらの作品は、字幕では「本当に」と訳されていても、生の声の「チンチャ」という響きそのものが持つエモーショナルな熱量をそのまま視聴者に届けた。