童磨討伐における最大の転換点は、蟲柱・胡蝶しのぶの壮絶な自己犠牲だった。姉・カナエを殺された過去を持つしのぶは、童磨が女性を好んで喰らうという執着心を逆手に取った。彼女は1年以上の歳月をかけ、自らの体重と同等である藤の花の毒を全身の細胞に巡らせていたのである。
無限城の戦いにおいて、しのぶは童磨に自らの身体を喰わせることに成功する。自身が死の罠となるという狂気じみた決断。力で勝てぬならば、己の命そのものを猛毒へと変える――。この壮絶な執念こそが、無敵を誇った上弦の弐の体内に致命的な破壊をもたらす直接の引き金となった。