日常の業務や家事、スマートフォンの画面に追われる日々。そこに突如現れるのが「全力で走り、勝ち負けに泣き笑いする」という非日常の体験だ。大人の大運動会に参加する人々の動機は、単純な運動不足解消にとどまらない。
リモートワークの定着やコミュニケーションのデジタル化が進んだ結果、人間関係の「深さ」を求める欲求が高まっている。言葉だけのやり取りでは得られない、共に汗を流し、息を合わせることで生まれるグルーヴ感。それが参加者の心を捉えて離さない。
運動が苦手な者でも肩身の狭い思いをしない工夫が凝らされている点も、ブームを後押しする大きな因果関係と言える。体力の有無よりも「作戦」や「運」が勝敗を左右する仕掛けが張り巡らされているのだ。