端的に言えば、「京都御苑」という広大な敷地の中に、「京都御所」という宮殿がすっぽりと収まっている。この包含関係こそが混同を生む最大の要因だ。京都御苑は外周約4キロメートルに及ぶ広大な緑地全体を指し、京都御所はその北西寄りに位置する塀で囲まれた皇室用財産を指している。
最大の違いは管轄組織と管理方針にある。京都御苑は環境省が管理する国民公園であり、年中無休・24時間いつでも無料で出入りができる。砂利道が敷き詰められた苑内は、散歩やジョギングに勤しむ地元住民の生活道路としても機能している。
対する京都御所の管轄は宮内庁だ。かつての皇居であるため、入館には明確な開館時間と休館日(原則として月曜日など)が定められている。入場料自体は無料であるものの、手荷物検査を受けるゲートを通過しなければ内部へ入ることはできない。ふらりと立ち寄れる公園と、厳格な警備が敷かれた皇室関連施設。この立ち位置の違いが、現地の空気感の差となって現れる。